なぜ相続放棄が必要になるのか
相続と聞くと「財産を受け取るもの」というイメージがありますが、実は借金などの負債も相続の対象になります。
そのため、故人に多額の借金があった場合などは、相続放棄という選択肢を取ることで、支払い義務を免れることができます。

相続放棄とは?
相続放棄とは、故人の財産や借金などの一切を相続しないという意思を、家庭裁判所に申立てて認めてもらう手続きです。
放棄が認められると、初めから相続人でなかったことになります。
ただし、単に「受け取らない」と口で言うだけでは無効で、正式な申立てが必要です。
相続放棄の流れ
| ステップ | 内容 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| ① | 戸籍・財産関係の調査 | 約1〜2週間 |
| ② | 相続放棄申述書の作成 | 約1週間 |
| ③ | 家庭裁判所に申立て | 被相続人の最後の住所地を管轄する裁判所へ |
| ④ | 裁判所から照会書が届く | 約1〜2週間後 |
| ⑤ | 相続放棄申述受理通知書の交付 | 約1か月程度 |

相続放棄の期限と注意点
相続放棄は、相続が発生したことを知ってから3か月以内に行う必要があります。
この期間を「熟慮期間」といいます。
ただし、財産や借金の状況が不明な場合は、期間の延長を家庭裁判所に申請することも可能です。
手続きに必要な書類
主な提出書類は以下のとおりです。
- 相続放棄申述書
- 被相続人の住民票除票または戸籍附票
- 相続人の戸籍謄本
- 申立手数料(収入印紙800円+郵便切手)

弁護士に依頼するメリット
相続放棄は、書類の不備や期限の誤りにより無効になるリスクがあります。
弁護士に依頼することで、以下のような安心があります。
- 手続き期限を過ぎないようスケジュール管理
- 書類作成や証拠収集を代行
- 相続人間でのトラブルを防ぐ助言
まとめ:早めの行動がトラブルを防ぐ
相続放棄は、「しない」という意思表示をするための正式な法的手続きです。
借金などのリスクを避けるためには、早い段階で行動し、専門家に相談することが重要です。
